2018年に発売された『一流の頭脳』。
スウェーデンの精神科医アンダース・ハンセン氏による、ベストセラー本です。
最近、同氏の『スマホ脳』を読んで、、スマホとの付き合い方を考え直すほどショッキングな内容が多かったので、『一流の頭脳』も読んでみることに。
『一流の頭脳』って、タイトルだけ見ると、最近、流行の脳トレでもするのかな?
と考えました。
ところが、全然違いました。
”一流の頭脳”にするために、【定期的に〇〇】しましょう!という内容でした。
さぁ、ここから『一流の頭脳』の書評です。
さらに、得た知識から具体的な行動に移す方法をお伝えします。
『一流の頭脳』書評【結論】運動すれば、大人も子どもも脳力アップ
『一流の頭脳』の結論は、非常にシンプル!
【定期的に〇〇】とは、
【定期的に運動】することです。
運動すれば、”脳力”が引き出される。
この1点だけが繰り返し述べられています。
英語の翻訳タイトルの方が、本の内容と合っています。
“The Real Happy Pill: Power Up Your Brain by Moving Your Body”
→「本当に幸せな薬:運動して脳を強化させなさい」
実際、本書の冒頭を見てみましょう▼
じつは身体を動かすことほど、脳に影響をおよぼすものはない。これが本書のテーマであり、とりわけ効果の高い身体の動かし方とそのメカニズムをお伝えすることが、この本のねらいだ。
同書 p.4
ハッキリ言いますが、
「本当に運動は脳に良いよ~~!やらないと損だから!!やってやって!!」
こればっかり書いてあります。笑
なので、すでに有酸素運動やランニングをしている方なら、特に本を読む必要はありません!
なぜなら、すでにあなたは、【一流の頭脳】の持ち主だからです。
もし、まだ定期的に運動をしておらず、
- 運動が良い理由
- 運動から生まれるメリット
こういった詳細を知ってから、運動を始めたい方は、このまま読み進めて下さい。
最後の特別編として、普段あまり運動をしない人に向けて、具体的なトレーニング方法をまとめていますので、ぜひ最後まで読んでいってくださいね。
※さっさと運動を始めたい方は、「具体的なトレーニング方法のご提案」まで飛んでください。
『一流の頭脳』なぜ運動は体に良いのか?
現代人と原始人の脳はほぼ一緒
人類が生まれた1万2000年前と現代。
生活も文化も、まったく違うのは当然なのですが、驚くべきことに脳はほとんど変わっていないということです。
つまり、脳は、1万年前の暮らしに合わせたまま。
- 太陽と共に行動し
- 食料を取るために日々走る
- 食料がなくなれば、新しい場所に移動をする
そんな太古の生活にピッタリな脳を、ムリやり現代の生活様式に合わせているのが、現在の私たちです。
(なんと、「スマホ中毒」になる原因も、実は、この事実からきています→詳しくは同氏の『スマホ脳』を読んで下さいね。)
つまり、脳にとっては、身体を動かしているのがごく自然な状態。
人類の歴史において、ほとんどの時代、身体を動かさなければ食料を手に入れることも、生き延びることもできなかったからだ。そのため、私たちの身体は動くのに適した作りになっている。
同著p.25
もちろん、原始人みたいな生活に戻る必要はありませんが、脳が自然と感じる運動を取り入れることで、私たちの脳力は発揮されるようになるのです。
続いて、運動で得られるメリットを見ていきます。
運動で得られるメリット
『一流の頭脳』では、
定期的なランニングなどの有酸素運動が、脳を活性化させると言っています。
どんなメリットがあるのか?
グループ分けしましたので、気になるところをチェックしてみて下さい。
- ストレスが原因の病気を治療・予防できる
- ストレス物質である「コルチゾール」の分泌量を抑えることができる
- 脳内の興奮をやわらげるGABAの作用が活発になる
- 思春期の子ども達の、ストレスや不安を緩和する
2.精神コントロール
- 心配性や不安症の性格がやわらぐ
- 社交的で、神経質な面が少ない人格になれる
- 脳内最強物質BDNF154、意欲の低下やうつを防ぐ
- ふさいだ気持ちが晴れやかになる149
- 上司に怒られても、メンタル強く保てる
ご覧の通り、子どもも大人も老人も。
運動するだけで脳が良い方向に変わることに驚きませんか?
身体運動をするだけで、脳の力を発揮できるってことですね。
とはいうものの、便利な現代生活をやめるわけにはいきませんので、まずは日常生活からうまめに動いてみませんか?
実際、ウォーキングするだけでも、抗うつ作用があるようです。
今すぐ、脳と体のために運動を始めていきましょう!
次は、具体的な運動方法を、Q&A形式でまとめています。
知りたい項目をチェックしてみて下さいね。
具体的な運動方法まとめ(Q&A形式)
どのくらいの頻度で運動すれば良いの?
脳の前頭葉を活性化させるには、「長時間1回」より「短時間数回」が断然いい
とのこと。
「短時間数回」を数か月続けることで、前頭葉が強化され、ストレスを和らげる効果が出てくる。
また、セロトニンやノルアドレナリン、ドーパミンなどの人間の認知能力に大切な物質の分泌量が徐々に増えていく。
忙しくて運動する時間がない…どうしよう。
”わざわざ”でも、運動の時間を取るメリットが十分にある!投資の時間と考えるべし。
たった30分だけでも、運動する時間を取れば、気分が爽快になり、仕事の質も上がる。
どのくらいの強度で運動すれば良いの?
肉体にはある程度の負荷がかかる方が効果は高い。
例えば、ウォーキングよりはランニングをすることで、ストレスや不安が軽減される。
(なんと、集中力もアップする!)
心拍数の上がる、有酸素運動を取り入れると効果的。
心拍数って、どれくらいまで上げれば良いの?
理想的な心拍数=(【最大心拍数220】ー【年齢】)×70~75%
年代 | 心拍数(理想) |
30代 | 135回くらい |
40代 | 130回くらい |
50代 | 120回くらい |
運動はいつするのが効果的?
運動は朝が良い。午前中に行うと、集中力が数時間続く。
朝の早い時間帯に、30分くらい運動するのがオススメ。
ランニングはどのくらいするのが良いの?
30~40分のランニングを週に3回程度行うと良い。
息が上がる程度に負荷をかけることが大切。
ランニングが苦手…他のオススメ運動法はある?
サイクリングがおすすめ。ランニング同様の効果がある。
重要なのは、運動の種類や場所ではなく、強度や時間。
心拍数が上がる運動をしよう。
運動で記憶力が高まるって、本当?
はい。
心拍数が上がる持久力系のトレーニングをすると、記憶をコントロールする「海馬」が成長する。
運動すると、短期・長期記憶ともに改善される研究結果も出ている。
お子さんがいるご家庭では、ぜひ運動の習慣を!
効率的に、記憶力を高めるには?
運動と暗記を同時にするのがおすすめ。
例えば、
- ウォーキングマシンの上で歩きながら暗記する
- 踏み台昇降しながら暗記する
など。
覚えられる単語が20%増加するデータもある。
運動の代わりに、スマホやゲームの脳トレをすれば良いのでは?
スタンフォード大学の実験により、ゲームや脳トレアプリの認知トレーニングでは、本質的な脳トレにはならないことが分かった。
つまり、脳トレゲーム=迷信
いくらやっても、ゲームやパズルがうまくなるだけ。
一方で、運動があらゆる認知能力を強化することができると証明されている。
子どもの学力アップをさせたいけれど、どんな運動が良い?
子ども本人が楽しいと思える活動を選ばせることが大切。
- なわとび
- ボール
- 鬼ごっこ
とにかく、心拍数を増やせれば、どんな運動を選んでも良い。
うちは、小学生の娘たちが運動ギライ…
学校の体育と、お友達と放課後に遊ぶくらいしかしていません。
そこで、任天堂スイッチの「リングフィットアドベンチャー」を使って、心拍数をあげる運動をしています。
楽しいので、ほとんど毎日遊びながら運動できています▼
マンションやアパートの方は、ヨガマットなどクッションの上でやってください★
効率よく点数をあげるには?
立って作業すると脳が効率よく働く。
学校や会社で、椅子に座らず、立ち机を使うようになってから、集中力や認知能力が増す研究結果もでている。
前述した、「運動と学習を同時並行する」方法を実践するために、立ってステッパーを踏みながら勉強や仕事をする人も見かけます。
(例えば、メンタリストDai〇oさんとか。)
具体的なトレーニング方法のご提案
『一流の頭脳』では、結論、以下の3点を満たす運動ができれば、場所ややり方は問わないと言っています。
- 心拍数が上がる
- 1回20~30分続ける
- 定期的に数か月以上続ける
いきなり激しくランニングを始めても、ケガをしてしまうかも…
徐々に運動負荷を上げていき、安全に楽しく運動を続けて下さい。
残念ながら、本書では、運動方法がランニングに偏ってオススメされていたので、その他にも上記3点を満たせる具体的な方法法をまとめてご紹介します。
ウォーキング
運動を全くしていない方は、ウォーキングから始めるのが最も手軽ですよね。
- 買い物ついでにウォーキング
- 少しだけ朝早起きしてウォーキング
歩くと、爽快感があり、一日を活動的に過ごせます。
私も、買い物ついでに一日8000歩くらいを目標に毎日歩いています。
心拍数が上がるように「早歩き」するのがポイントです。
負荷のかかるウォーキングで、あらゆる病気を予防できると提唱する本もありますよ。
青柳 幸利先生(「あさイチ」「ためしてガッテン」など出演)のウォーキング本が有名ですね。
ランニング
『一流の頭脳』ではたびたび、ランニングが良いとオススメされています。
でも、急にランニングを始めると、膝や腰が痛くなってしまうかも…
(20代のころ、私もランニングを趣味にしようと思ったら、3日目でひざ痛に激痛が!)
まずは、ウォーキングから始めて、スロージョギングに変えていくのはどうでしょうか?
街でたまにみかける、ふくらはぎムッキムキのおばあちゃん!
見かけると、いっつもスロージョギングしているんですよ~
話しかけたいけど、走っているところ止められないし…笑
理想の健康おばあちゃん、魅力的です。
スロージョギングのやり方が書いてある書籍▼
★主婦もビジネスマンもお年寄りも、スロージョギング★
ダンス・エアロビクス
今や、動画でいくらでもダンス・エアロビを配信しているサービスがあります。
音楽に合わせて踊っていると、はぁはぁ苦しいながらも、やめられない楽しさがありますよね。
無料だとYouTube
「たけわきまりな」さんが、最近テレビでもよく見かけますよね▼
還暦お母さんとのコラボダンスが大好き!
広告に邪魔されるのが嫌なら、月にいくらかだけかけて、スムーズな運動ができるとストレスがありません。
\おうちで運動×心拍数アゲアゲ/
SOELU |
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LEAN BODY |
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LAVAうちヨガ+ |
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スクワット
場所も時間も選ばず、いつでもどこでもできるスクワット。
無料かつ手軽にできる運動の代表ですよね。
意外と、スクワットの正しいやり方って知らないことありませんか?
自己流でやって、身体に変な負担がかからないように、一度正しいやり方を確認してから始めましょう▼
踏み台昇降
学校の「体力テスト」で、何度つらい思いをしたか?!
そうでうす。あの「踏み台昇降」も立派な心拍数をあげる運動です。
好きなドラマや映画でも見ながら、踏み台昇降やってみませんか?
必ず、滑り止め付きの専用台を買って、転んでケガなどないようにしてください。
エアロバイク
騒音が気にならない場所にお住まいなら、エアロバイクもおすすめです。
ランニングと同じ効果がある、と『一流の頭脳』にも書いてありましたよ。
デメリットは、買うとそこそこのお値段がするところ…
安いものでも1万円~ですね。
買う前に、レンタルなどで、一度お試しで借りるのも良いかも。
以上です。
お読みいただきありがとうございました。